人質 韓国トップスター誘拐事件

TSUTAYAで見かけて何やら面白そうだったので観る。韓国サスペンスは大体例外なく面白い。

これ良かったー！　親にも勧めよう。いい感じに賑やかで物騒なサスペンスだった。
大人気の国民的俳優のおじさんが仕事帰りに拉致されそのまま監禁、身代金を要求される。悪党のアジトには同じく拐われて行方不明中だったコンビニバイトの女子大生も。22時のタイムリミットまでに身代金を用意するか、逃げ出すか、戦うか。あの手この手で女子と生還するため奮闘する話。

悪党の治安は悪いが構成としては血も涙も無いリーダー、気性の荒い右腕、俳優おじさんのファンとキャラが濃い面々でおもしろい。何より主人公の俳優おじさんのキャラが良い。めちゃくちゃハンサムってわけでもないおじさん感が良い。役名見たら本人役だったし、日本だったらヤスケンあたりのイメージ。
この俳優おじさん基本お茶目だけどなかなか頭が切れるので良い。お金が払えなくて始末されそうになる女子に「俺が払う！」と言える男気、からの「いくら出す？」の問いに「5億」と答えて「もっと出せるだろ！！」てキレられた時の「一日の口座の引き落とし限度額は5億」って返せる機転。ちなみにウォンは円に1桁足したくらいなので5000万円あたりか。「今日もインタビューあったし明日まで誘拐してると通報されるぞ」と続けるのも冷静で素晴らしい。
悪党の中にファンが混ざってて躊躇ってたけど、自分もファンだったら絶対手ぇ出せない。難しいところだ。

しかし悪党の誘拐計画の杜撰さはぶっちゃけ気になった。金持ちの子供誘拐→家族に身代金要求なら分かるけど、金持ち本人誘拐→本人に要求、ていうのがピンと来なくて最初「ん？」てなった。本人に引き落としさせるの？　逃げられない？　と思ってたら「キャッシュカードはどこだ！」て聞いてきたので地味に驚く。悪党がキャッシュカード持って暗証番号聞いてATM行くんかい。あたし暗証番号＋指紋認証だから無理だぞ。全体的にガバガバだし顔も隠してないし。なんだか斬新なやり方だ。その上普通に俳優おじさんにキャッシュカード家にあるから取って来てくれってパシられちゃって、実はあんまり悪党は賢くないのかもしれない。

とはいえリーダーは徹底的な悪党だし、右腕も凶暴性がえげつなくてクライム・暴力描写はしっかりしてる。脱出も妨害が入ったり途中で自首があったり二転三転のサスペンス要素も楽しい。マネージャーと担当刑事がめっちゃ有能で良い。靴は確かに妙なデザインだったから頭に残りやすい。

悪党リーダーにだけ無効っていう場面がちょいちょいあったのでそこも若干気にはなった。爆弾の粉塵で現場の人々全員うずくまってる中、マスクも何もしてないリーダーだけ颯爽と逃げて行くのとか……倉庫大爆発で警官たちが倒れる中でリーダーだけ無傷で立ち去るとか……防ぐための描写とかあれば良かったのだが。そういう細かいところは気にしてはいけない。

韓国映画だからといって全滅エンドの心構えをしてたけど今回は普通にハッピーエンド。ちょっと新鮮。たまには良い。