魔女伝説の残る曰く付きの森へドキュメンタリー撮影に入り、行方不明となった学生3人。一年後に発見された彼らの記録映像。
有名だけど観てなかったシリーズを観る週間。 タイトルだけはめちゃ知ってたけど以前『怪異・猟奇ミステリー史』を読んでいたら「ゴシックの真髄であるフェイク精神=偽書(モックメンタリー)の代表的なスタイル、"発見された原稿"を現代に合わせて"発見されたフィルム"として本格的に表現した映画作品」として堂々挙げられていたので俄然興味を持った流れ。 でも全編"本人が撮影した映像"という設定だからさぞかし手ブレがひどいのだろう……見にくいカットなのだろう……画面酔いしそう。という偏見でしばらく観る気になっていなかった。前に見たシャマランの『ヴィジ◯ト』で本人撮影設定カットが結構挟まったけど非常にいずかった記憶もあり。 しかし観てみたら全く酔うことはなかった。そんなにブレなかったかな。あとは見たいところがちゃんと映っててストレス無く見れる感じ。もうちょいアップしてほしいな……もうちょい映しててほしいな……ていう部分はしっかりズームするし長いこと撮っててくれる。でもそのこだわりに他メンバーがイライラし出す、その流れも自然で良い。 オープニングは「〇〇大学映画部の学生3人が魔女伝説の残る村・ブレアの森へドキュメンタリー撮影のため入り込むがそのまま行方不明に。一年後、森の奥の廃墟から彼らのビデオフィルムが発見された。遺族の希望により再編集して公開することとする」的な出だし。 こわーい! 久々に胸をバクバクさせたホラー。後半半目で見てた。怖くて。これ映画館ムリムリ。 3人の学生がウキウキで出発するところから村の取材、森への進入、そして遭難していく様子が映っている。森に入ってからは割と早い段階でピリピリし出す3人。口論しては仲裁し合い、どうにか撮りたいものを撮ってすぐ引き返そうとしたが、地図を失くして事態は深刻に。夜が来るたびにキャンプするが、日を追うごとに奇妙な現象が彼らを襲う。そしてある朝、とうとう一人が姿を消す……。 こわーーい! 森の暗闇から消えたはずの一人の声が聞こえるところなんて相当やばい。だいぶ怖い。 それにしても生々しい。まず主人公の女子学生の演技力がえげつないのでいちいちヒヤヒヤする。人の切羽詰まった金切り声ってこんな不安煽るものか。見たことある丸太見つけちゃった時のリアクションとか、テントから全速力で逃げてライト消す空気感とか。息遣いも怖い。 終盤の「マイクのお母さんに謝ります……」からの映像は精神的に本当にキツかった。一緒に泣いた。その時は怖いとか辛いとかじゃなくて本当に限界感で泣けた。これまで同じように森で遭難した人々のこと想像しちゃってダメだった。そういう生々しさに耐え難い傾向がある。 人の発狂も恐ろしい。まあ自分もあんな目に遭ったら早々におかしくなりそうだけど。ナチュラルにおかしくなってしまったマイクの行動もゾッとする。ていうかやっぱり忽然と姿消されるのは相当やばい。境遇考えてもやばいし"声は偽物かもしれない"って発想もやばい。無理である。 ダメ押しの廃墟ラスト、めちゃ怖い。もう嫌〜〜しかし大前提が「行方不明になった学生の落とした記録映像」だからバッドエンドなのは間違いないんだけど、何より死亡じゃなくて「行方不明」だから不気味よね。人が消えるわけないもの、現代の事件に通ずる怖さ。 特典映像も輪をかけて不気味。本格的なニュース映像や遺族インタビュー、専門家のコメント映像があって「まさかモデルになった事件ある……!?」とビビり散らかしてググったけど何から何まで全然フィクションらしいのでホッとした。特典映像もガッツリ作り込んで宣伝として放送されたらしい。怖すぎるわ。99年制作ということもあって映像も古いのがリアリティあって怖い。ご勘弁。 いや〜怖かった。