凶悪犯を護送する船内で脱獄した犯罪者と警察の殺し合いが始まる。混乱のさなか、極秘で運搬されていた"生物兵器"までもが解放される。
映画館の予告で流れて主演ぽい人がどストライクだったので観に行ったやつ。 内容も面白そう、凶悪犯罪者たちをフィリピンから本国へ護送する船の中で脱獄と虐殺が発生する。海の上という逃げ場の無い閉鎖空間で、警察と犯罪者の殺し合いが始まる――。 でもまあ、あらすじよく読んでなかった自分が悪い。元々予告は一切観ない派だから結果は同じだろうけど、ぶっちゃけ思ってた展開ではなかった。何故なら警察vs犯罪者の構図は中盤で終了し、なんとメインは急に現れる怪人vsそれ以外全員だった。船の下層で秘密裏に運搬されていた生物兵器が反乱をきっかけに目を覚ましてしまう。そして急に登場して急にジェノサイド。後半は生物兵器から逃げ回るモンスターパニック映画になった。そんなバカなーっ! でも後からチラシ読んだら「怪人」って書いてあったんだ。でもポスタービジュアル的に私がハマった凶悪犯青年のことを言ってると思うよね。ね。 とりあえずキャストについて、この大注目の凶悪青年は主役というより主要キャラという感じだった。全身タトゥーに洗練された筋肉ボディ、ボサ黒髪に三白眼の鋭い目つき、返り血ニヤニヤと危ない嗜好にグイグイ刺さるドンピシャビジュアル。予告映像だけでハート掴まれたのは非常に稀な経験であった。案の定良かったし。俳優さんはイ・ソングクというらしいです。他作品調べたら映画出演はこれが二作目くらいで去年あたりからドラマで弾けてたみたい。韓ドラ好きの母の方が知ってたし、旬なイケメンらしい。でも凶悪顔がビッタビタにハマってたので彼が爽やか恋愛ドラマ主演とかいまいち想像がつかない。犯罪者ポジの方が好きよ、ソ。 しかしさすが韓国陣営、ちょうどツボにハマるルックスが多い多い。スタッフに紛れてた危ないお兄さんが返り血ドロドロのまま髪をかき上げてからはあまりのハンサム変貌ぶりにドキドキ止まらず。かなり良かったのでその方の名前も調べた。が、いち犯罪者役だからかなかなか見つけられず。残念。そろそろその趣味は危ないよと言われてしまったけどこればかりは仕方ない。 他、ゴリゴリマッチョマンだとかベテラン刑事だとか、悪徳ボスだとかミステリアス青年だとか生真面目警察官だとか。それぞれのキャストがピッタリはまっていて良い。見事に一人も知らないんだけど、この顔が日本の映画にもいたら良いなあて感じの存在感とオーラが沢山。日本キャストだったらこの人かな、てのも想像が楽しい。あと地味に「全員知らない俳優」っていう作品はワクワク感が段違いよね。邦画大作にはそれが無い、一番無い。オーディションにしようよー。 それはさておき、韓国映画の汚しの美術はやっぱり圧巻。血みどろやらせたら一級品。今回はR15でゴア描写もしっかり表現してるし、全体で使った血液の総消費量を考えると凄そうだ。そこまでやらんでも、なオーバーキルが凶悪犯の残虐性によってどんどん展開される。怪人出てからはいよいよバラエティ豊かなバイオレンスのオンパレード。登場時は面食らってしまって恐怖というより「なんじゃこいつ」感が勝ってしまったけど、おじさんのビビり失禁は良かった。あそこで「あ、確かに絶望的に怖いよねこれは」と共感の輪に戻れた。生物兵器系の登場でトラウマ級に怖かった経験ってあんまり無いな。漫画『ガ◯ツ』くらいか。そう考えるとガン◯って凄かったな。何が違うんだろう。まあいいや。 R15なだけあって屍体に立ちションとか全裸登場とか女性のトイレシーンとか大胆な演出が見られて新鮮だった。主演デビューで脱がされるソ、これを乗り越えてスターになるんだぞ。黒幕が青年に奉仕させるシーン、音が凄くて電話のやりとりほぼ入ってこなかったけど、それより気にかかるのは隣の席に座ってるお客さんが女性客どんな気持ちで観てんねんとかいたたまれない気持ちになってないかなってことだ。嘔吐以外は平気です。 ネタバレだけどどうしてこう韓国映画は全滅エンドになるんだろうな。ホラーならまだ良いけど、サスペンス系の場合はそれまでのドキドキワクワクが全滅によって台無しになるよ。あーもうめちゃくちゃだよ感。主役級キャラだった警察官がポッと出の組織に雑に殺されたあたりからもうめちゃくちゃだよ感に襲われ。静かに萎えてしまったよね。強くも勇敢でもないけどどうにか生き残った枠の二人も、ただの一隊員と揉めて弾みで二人とも銃殺って展開も非常に雑でイマイチだ。なんだかなあ。生存ルート面倒だったのか分からないけどそうまでして全滅にする意味とは……。その方が海外ウケ良いとか? お家芸だからとか? 分からん。 どうでもいいけど生物兵器開発に関して日本が絡んでてちょい嬉しかった。回想シーンでちゃんと日本語喋ってたし。「手術」が「しゅじゅっちゅ」になるのは仕方ない。日本人でも噛むもん。 思ったけど韓国って結構SF好きね。異能好きというか。最終的には異能バトルものになったし、続編も作りたそうな終わり方だったのでそれぞれの「〇〇バース」を展開したいのかもしれない。魔女シリーズ然り。出たら観に行くよ。 写真じっくり見たかったけどパンフレット完売だったなあ、惜しい。