やさぐれサンタがプレゼントを届けに来た屋敷で強盗集団と鉢合わせ。
映画館の上映予定作品をざっと観てたら気になったやつ。ポスターに不敵な笑顔のサンタ、このタイトル、そして「サンタが暴れる」的なキャッチコピー。とりあえず観にいく。 87ノースって『ブレット・トレイン』『Mr.ノーバディ』のとこか。どっちもウキウキで映画館へ観に行ったやつだ。なるほどテイストはそれに近しい。 てっきりサンタが一方的にヤバい奴かと思って観に行ったら全然そんなことは無かった。開幕嘔吐は歴戦の予知能力でしっかり目を瞑ったのでセーフ。それ以外はもうめっちゃサンタのファン。 まず世界線がちょっと予想外。サンタは本物サンタで、ちょいちょい魔法を使いつつ空飛ぶトナカイ&ソリでプレゼントを届けて回る。設定はメルヘンだけどバイオレンスはしっかりバイオレンスなガッツリアクション映画なのでそのバランスが楽しい。 ストーリーとしては現代人の廃れっぷりに今年が最後だとやさぐれる泥酔サンタが、巡回した先の屋敷で強盗集団にばったり出くわしてしまう話。襲われた屋敷の家族もワケアリなメンツで楽しい。屋敷の主である資産家かつ敏腕経営者のおばあちゃま、ひたすら媚びて次期トップの座を狙う長女、その旦那のアホハンサム、その息子のチャラ配信者。長女に目の敵にされている長男、冷え切った関係のその妻、天使のように可愛いその娘。すなわちおばあちゃま+娘家族・息子家族がクリスマスのために集まっていた感じ。 濃いメンツがまとめて人質に取られて大ピンチな中、完全巻き込まれなサンタがひと肌脱ぐ。最初は全然逃げる気満々だったけど小さな女の子(長男の娘)が怯える姿に腹を決めた流れ、素敵。女の子が準備していたサンタさん用の手作りクッキーを携えてというのが熱い。この一族で唯一の良心である女の子と心で通じ合うのが良い。 個人的にグッとくるのはサンタが女の子にあげたプレゼントを毎年覚えてたこと……。なんなら悪い大人たちの子供時代にあげたプレゼントも逐一覚えてて面白かった。確かにありえる。強盗に怯えきっていた女の子のトランシーバーがサンタと繋がったところはだいぶテンション上がった。 ファンタジー要素として、女の子の名前を聞いて取り出した紙に「よい子」って出たのは笑ったしほっこりした。逆に強盗集団が襲ってきた時に「悪い子」一覧に並んだのはただただ笑った。 しかしアクションも思ったより過激アクションで良かった。サンタはある程度魔法使えるけど戦う時はひたすらにマンパワー。得意武器は斧。割とショッキングなバイオレンスがいちいち挟まってくる。子供が怪我しなければオールOK。 ストーリーも強盗がただ暴れるだけでなくちゃんと二転三転する。全く事前情報無しで観に行ったけど思いの外出来が良くて楽しかった。 長男の妻、めっちゃくちゃ見たことあるなーーってずっと考えてたけど帰宅して二日ぐらい経ってから思い出した、『炎のデス・ポ○ス』のハイパー男前警官だ。スッキリ。確認しに行ったら『ブラック・パ○サー』にも出てたらしい。 長男はウッディに激似。