幸せな一家が引っ越した屋敷で凶悪な霊障に脅かされる。エクソシスト夫妻が悪魔払いに乗り出す。
おすすめらしいので観てみる。死霊館がシリーズものと知らず二作目と三作目だけ観てたやつ。タイトルがナンバリングされてないと気づきにくくてたまにある現象。導入しやすいので良いけども。 不気味なアナベル人形のドアップから始まるオープニング、なかなか良い。二作目観たときもそうだったけど、この映画とにかく評価したいのは人形が絶対動かないこと。後半ちょびっと動いたけどあれはまあ目を瞑れる範囲。特級呪物アナベルさんの魅力と恐ろしさにきちんとリスペクトがある。メインはアナベル人形ではなく屋敷の怪奇現象だけど。 夫婦と五人の娘たちが引っ越してきたのは自然豊かな湖畔に佇む一軒家。古くて居抜きも多かったりと娘の中には不満を持つ子もいたが、広々した家で一家は新生活をスタートさせる。 ところが移って間もなくペットの不審死、家鳴り、決まった時間に止まる時計、再発する夢遊病など不気味な怪奇現象が次々起こる。どんどんエスカレートするそれらはついに数人の娘たちに姿を現し、精神的にも直接的にも危害を加え始める。そこに数多くの実績を持つ夫妻が悪魔払いに乗り出していく。 思ったよりアグレッシブで楽しいホラー。テンポ良く霊障が起こり、家族のストレスはマッハだがこちらはダレずに観続けられる。 悪魔もかなりアクティブで少しも休まずちょっかい出してくる。あっちで怪奇現象起こしつつ、こっちで話しかけて怯えさせたり。思ったより早い段階で姿が出てニヤニヤした。 面白い見せ方も多々。階段に注目してたら真横でもろ人間の手が出てきたのは斬新。映画館で観たらヤバそう。風で飛びかけたシーツが何かに掛かる演出も見たこと無くて面白い。ただメンタル的にしんどかったのは子供たちが怖い目に遭うシーンだねー……。特に四女だけ暗闇の人間が見えるとこ、そして末っ子が母親に殺されかけるとこ。トラウマになってないと良いなあ。 あと印象深いのは有能アジア青年。協力してくれた警察の部下ポジションだけど、とにかく皆がパニクってる時の立ち回りが完璧。それはもうあまりにも完璧。娘が霊に閉じ込められて大騒ぎの中サッと部屋の監視カメラと音声を確認しに行ったり、取り憑かれた母親が暴れる中末っ子の姿が無いことに気づいて探しに動いたり。もう長女と付き合って良いよ。 ネタバレだけど、意外にも誰一人死者が出なかったのは嬉しい。絶対誰かはやられると思ってた。ジェームズ・ワンだしね。幸せな家族が幸せなままで良かったあ。地味に最後の実際の写真の感じが生々しくて一番不気味だったな。夫婦の存在といい、実話ってのが凄いよね。