ザ・レイド

昨年すっかりやられてしまった『モータル･コ◯バット』の準主演、サブ・ゼロ役のジョー・タスリムが出てると聞いて。
前々から良い暴力と小耳に挟んでいたので気にはなってたけど、お気に入りの俳優が出ているなら観ないわけにはいかない。地味に配信されてないのでTSUTAYAで借りちゃう。

とても良いバイオレンス、観ててクタクタになるくらいノンストップで暴力、暴力。主人公のキレが凄い！　体幹の安定さと拳のスピード、ずば抜けた運動神経。とにかく早い、そして痛そう。主人公以外も機動隊主要メンツは全員強い。マーシャルアーツはもちろんのこと、銃もナイフもソードも家具も使いこなす。トドメの殺意がハンパない。一人ずつワンパンで処理なんてしょっぱい戦いはせず、一人フルボッコにした後もう一人は滅多刺し、最後の一人はぶん投げてから斬首など確実に再起不能にして片付けていく感じがプロフェッショナル。それも物凄い速度と立ち回りで。相手も殺しに来てるし大勢いるので二度と起き上がらないようにする必要があるもんね。前半は銃撃が多いけど機動隊の大半がやられて残り5人になったあたりから素手のアクションが凄い、楽しい。

中でも幹部兼用心棒おじさんの強さは桁外れ。も……もう勝てないこの人には……と心が折れるほど強い。無限のスタミナと耐性。ていうかこの人『ジョン・ウィ◯ク3』の終盤の日本人戦の前座の二人のうちの片方じゃん。このキレキレっぷりを買われたのかしら。しかし小柄で細身だから打撃があまり強く見えないけどそこは効果でカバーだ。この用心棒、キャラも非常に良い。丸腰相手に銃は使わず、拷問中に助けが来たら拷問相手を解放して二人を相手にしたり。武士道が素晴らしくて好きになる。

ストーリーも普通に面白い。機動隊がターゲットのアジトに突撃するだけだけど、要所要所の展開と見せ方が割と巧妙。凶悪なボスの初登場シーンなんか一発で見入る。5、6人並ばせたやつを一人ずつ銃殺していったけど最後の一人で弾切れ。震えるそいつを置いてデスクに戻ったかと思ったら、引き出しから取り出したのはトンカチ。ああ〜銃の方が良かったね〜〜ってなる。同じシリーズで言えば最後に裏切り野郎が絶望して銃で自害しようとした時の演出も最高だった。高笑いが止まらない。
展開は前半15分ちょっとであっという間に機動隊がやられて残り5人になっちゃうスピーディーさ。からの怪我人ハンデ。家賃オフ特典を求めて血眼の中毒者住民たちという設定も面白い。その中で匿ってくれる善人住民だったり、敵の参謀の意外なキャラ判明だったり、ワクワクする。あとタスリム兄やんがちゃんとかっこよくて良かった。そしてどこの言語かわからないけど早口すぎてラップしたら上手そうだなと思った。

そしてやっぱり主人公良かったな〜アクションが最高だけどスタイル抜群で警官の制服が超映える。マスク、防弾チョッキとどんどん脱げてくのもいいけど途中で「その格好だと狙われるから着替えろよ」が来てちょっとしんみりしたけど「俺はこっちの方が合ってる」の返しでテンション最高潮だ。その後ボロッボロのぐっちゃぐちゃになっても最後まで制服（しかもシャツイン）でとても最高。麻薬ぶちまけてるテーブルの上で戦うお巡りさんという構図も素敵。

もう一回観たかったけど返却期限ギリギリだったので諦めた〜……。