『サ◯ン』と間違えて観てしまったので途中まで宇宙人が出てくると思ってた。全然人怖のサスペンススリラーでした。
怖かった〜。シャマラン系にはビビらない自信があったけど全然怖いジャンルだった。何度ゾッとしたろう。私がゾッとする種類の怖さピンポイント。深夜に全裸で壁かきむしる老婆。『イ◯ト2』でも一番ゾッとしたのはキッチン通過全裸老婆だった。絶妙にリアルな異常さが無理なのか、何か近しいトラウマの記憶があるのか。痴呆老人の異常行動がいちいち不気味で背筋が冷たくなる。
全編通して長女が撮影したカメラ映像という演出のため、割と見にくさはあったけどおかげで自然な一人称視点だとかBGMなしで飛び込む異常な光景だとか、リアリティあるスリルを味わえた。
あとはやっぱり恐怖の種類がマジで苦手な分野。何と言えばいいか、自分も幼少期に味わったような得体の知れない絶妙な恐怖。小屋に忍び込んで見つけた汚物、断りきれない嫌なお手伝い、早く帰りたがる末っ子と気を遣う姉……。末っ子が自分だ。この感覚、嫌だなあ。
やっぱり最後の母との通話が恐怖の最大瞬間風速。マジで怖くて変な顔になった。私が。そう言われてみれば……と合致するシーンの数々がしんどい。家族っていう呪縛が逃げられなくするこの状況、しかもこちらは子供二人というのがまた恐ろしい。どうする? どうする? と姉弟の緊迫の目配せがまた覚えがあって精神的にくる。
弟の最後の仕打ちにこちらの心も壊れかけたけど防衛機制で無になりました。大丈夫大丈夫。トラウマや恐怖症の対象に直面したらね、頭を空っぽにして、声に出して「大丈夫大丈夫」、これで何とかなる。何か頭をよぎる前に打ち消して空にして大丈夫大丈夫……。
というくらいの描写だったけど、お話は助けが来たところで終わったのでとにかく弟が心配だった。マジで心配でその後の様子見せてくれなきゃまたまた心が折れそうだった。
と思っていたら「弟がぜひにというので」とワンクッションからの元気いっぱいラップが始まって超安心した。ホッとしすぎて泣いた。怖い思いしたのもネタにしてフリースタイルかましていたので「良かったぁ……」と泣いた。完全おまけのエンディングだったけど、同じように誰か「元気になった弟見せてくれなきゃ無理です」と訴えた人いたのかな。シンプルにシャマランの脚本か?
とにかく弟の演技力が高くて、昨今の子役は凄まじいなと実感した。上で語ったように感情移入しまくったのはひとえにこの少年の演技力もある。いや全員演技力は半端なかったけど。もう本当に子供たちの心が復活して良かった。
2022-07-10