MARVELだから観に行く。観に行くけども。何だかやっぱりエンドゲーム以来のMCUに燃えない自分がいる。あ『シャ◯・チー』は燃えたけど。アベンジャーズ系で言ったらイマイチだ。今回もパンフレットは買わなかったし……。一覧にあった『トップガ◯』の方買っちゃったし……。
面白いけどもFunnyの面白さで、Excitingは無かったのだ。観た後「あのシーンめっっっちゃ興奮したね!」な場面が特にない。ヘイムダルの息子がアレを掴んだところで「おお」と思ったくらいか。同監督の『ラグナロク』がはちゃめちゃに面白かったので期待MAXだったのだ。
なぜあまり面白くなかったのかな……。
主要メンバーの取り合わせかな。ソーと元カノと女戦士と無能岩。少ない。少ない上に関係性に複雑さが無いので掛け合いが大して面白くない。それぞれ「信頼している」くらいの矢印だ。ソーカップルももう大人のカップルなのでしっとりしている。ボケ担当の岩マンも天然系ボケなのでツッコミが無いと成り立たないポンコツキャラだ。
先にガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々を見てしまうので余計にこちらのチームの真面目さを感じてしまう。ガーディアンズメンバーの濃さ・関係性のややこしさ最高なのだから。
あとは敵か……クリスチャン・ベールはめっちゃ良かったんだけど強さが微妙だ。第一ラウンドで普通にソーに投げ飛ばされたので目を丸くした。ヘラのムジョルニアわし掴みに匹敵するインパクトを待ち構えていたら、普通に勝てそうではないか。あまり見ない闇タイプなので未知数の強さはワクワクしたけど、最後までそれほどの絶望を感じさせるような展開は無かった。なんかずっと「勝てそう」感があって。ね。
だけどここで考えた。これは人間の代表だったのだ。きっと世の中にはクリべみたいに絶望を味わって信仰を折られた人間が沢山いるんだろう。信心深い人が「神はいなかった」と思い知らされるくらいだから、それも相当に悲惨な運命だろう。それがこの世界線では実際に神がいて、彼らが人間を見捨てる姿が見えてしまう。そんな時に神を殺せる剣があったら、人間代表は手に取ってしまうだろう。そんなもの無くても暴れ回る人間がこの世にいるくらいなんだから。
あくまで武器で力を手に入れた人間だから神的な強さは表現しなかったのかもと考える。同じ境遇のナタリー・ポートマンとの対比でね。失望させられた信仰者の姿が痛ましくて切ない。しんどい。こういうの弱い。
そして今更現れた全神の聖地。どうしてサノスを止めてくれなかったの。ゼウスの言葉がアンサーか。
流石にゼウスは気になる、と思ったら想像以上にしょぼくて悲しい気持ちになる。そういうボケなんだろうけど最後のとっておきのロマンがボケに使われてしまった。宗教上の神はいじったら危ないけど神話の神は好き放題やっていいんだな、と遅ればせながら気づく。我らが阿弥陀如来もいるかなと探したけど見当たらなかったもんね。でもラストの永久のやつはブッダ的シルエットだったからちょっと嬉しかった。
ゴアの願い、娘の元へ連れて行って、だと思ってたからまんま蘇らせてて驚いた。それ解決か? 一緒にヴァルハラへ行こうよ。アスガルド人じゃないとダメなのか。ナタリー行ってたけど。死んだ人は帰ってこない思想の自分なので複雑な気持ちになった。
何よりゴアのその大事なシーンをソーが全然見てないってのが気になった。いやその前に愛を選ぶのも、この状況でマジかと思った。子供たちの姿を見た後よ。もうちょっと殴ったらゴア倒せそうよ。説得するにしても放置スタイルすぎないか。うーん気になる。
笑いも興奮も戦闘も特にクリティカルが無かったので二回目は観ないやつだ。
2022-07-10