ヒッチャー

The Hitcher

嵐の夜に乗せたヒッチハイカーがどこまでも追ってくる。

ヒッチャー

The Hitcher

アマプラにおすすめされたので観てみる。め〜〜ちゃ良かった、好きなやつだった。鑑賞後「良かったなあ……」と三回ぐらい呟くほど。私の趣味にクリティカルヒット。

趣味にヒットということはなかなか過激な展開が多いんだけど、何より主演二人のヤバめの関係性が面白い。
同情して乗せてやったヒッチハイカーがサイコキラーで、どうにか振り切ったと思ったらそこから地獄の粘着の始まり。殺しにかかるくせにいざ退路を断って追い詰めると手は出さず奇行に走る。何なら銃を渡して殺してもらおうとする。唾を吐かれたら嬉しそうにする。何したいか分からない。ただただ本当に頭のおかしいヒッチハイカー。これが青年とおじさんの取り合わせなのでまたハラハラする。

ポスターは夜だけど話の9割は日中。太陽照りつける広大な荒野で主人公がひたすら土まみれ血まみれボロボロになっていく。ボロボロ主人公、好きな要素。

テンポがめちゃめちゃ良くて序盤の雰囲気から堪らない。というかファーストコンタクトで持って行かれた、それこそ趣味にクリティカル。青年が運転中ナイフ向けられて泣きながら「僕は死にたいです」を復唱させられるところとか……落ち着かない気持ちになるよね。そんな趣味です。ううん、良くないよなと思いつつドキドキします。いやヒッチハイカーが色男だから仕方ない。きっとそう。
その色男だけどすっごい見たことある顔だし名前を見たらルトガー・ハウアーだったので、これ絶っっ対知ってるぞと思い調べたら出演作に『ブレード・ラ◯ナー』の字があって悲鳴上げた。ルトガー・ハウアーじゃん。

で単純にヒッチハイカーvs主人公というお話ではなく、割とえげつない手法で主人公が八方塞がりになっていく展開が楽しい。もう警察に捕まる方が安全なので自首しまくりたい気持ちになってくる。が牢にぶち込まれても翌朝ギィと扉が開いちゃった、からの鳴り止まない電話音と絶望の見せ方が良い。濡れ衣着せられまくるし容赦無く登場人物は死ぬし。不気味さにアクション要素にスリラー演出に。これは良いぞ〜。
2022-07-10