勢いよく三作目。そう、一作目のセンの生まれ変わりを期待してたけど今回はまたキョンシー最盛期の時代にトリップ。でもやっぱり一作目の舞台ではないしキャラも違う。この自由っぷりも良い。一貫して道士様とうっかり八兵衛のキャストが続投なのでそれは何となく嬉しい。すげぇなと思うのは生き虫食える女優さん。年齢指定の部分に「肌の露出」があったのでセクシーなシーンでもあるのかな? と思ったら終盤捨て身のスッポンポンになるエセ道士様で笑った。相変わらず過激描写は健在で楽しい。
今回の大きなポイントといえば人間の味方をする(しかも意思疎通できる)キョンシー兄弟の存在! 実は死体が動くガチキョンシーではなくただのコスプレした霊魂らしいけど善良な霊は珍しくて癒された。小心者で親しいエセ道士様にピッタリくっついて行動する兄弟、可愛らしい。
もう一つのポイントは新登場・妖術使いの存在。馬を盗む泥棒集団を撃退しようと奇襲をかける道士様一同だったが、泥棒の正体は妖術使いの一味で、仲間を殺されたトップオブ妖術リーダーの恨みを買うこととなってしまう。このリーダーがはちゃめちゃに強く、捕虜となった妖術仲間を救うため単身乗り込んでくる。掘り起こしてキョンシーにした兄幽霊も連れてたけど。だいぶ苦労して倒したと思ったらキョンシーになって更に不死身状態で復活してくる。まあ強い。
映像技術もじわじわ向上しているのか、幽霊兄弟の幽霊演出も凝っていて面白かった。前作でコミカル要員が八兵衛だけだったけど今回はエセ道士も強烈で兄弟も可愛くてエンタメ色たっぷりなのが良かった。ちょっとコンテンツ詰め込みすぎ感はありつつボリュームもあって見応えはあった。回重ねるごとに確実に上映時間は伸びまくってると思う。とりあえず終盤の唐揚げゾンビは意味が分からなくて笑った。
ただ一点、八兵衛の相棒が悲惨な死を遂げたのだけショックだった。そんな……ここまで楽しく頑張ってきたじゃないの……こんな終盤でそんな惨たらしい……結構悲しかった。直前に八兵衛の「道士様、最後にお顔をもう一度見せてください」に対するめちゃくちゃ絶妙な表情がベストシーンかもしれない。
そしてタイトル、いよいよ七不思議要素ないのに適当もいいところだけどその雑さも味なのだろう。
2022-04-27