救急車って英語でアンビュランスって言うんだ……へぇ〜。全く情報を知らなかったけど監督マイケル・ベイで主演ジェイク・ギレンホールで主題が銀行強盗なら観る観る。世間が絶賛ファ◯タビブームでもこちらが優先。字幕版一日一回しかやってなかったので滑り込みで鑑賞。
ヒステリックおじさんのイメージなジェイク・ギレンホールだけど今回はいよいよヒステリー起こしっぱなしだった。基本目ぇギンギンだし。
内容的にはジェイクと血の繋がらない弟が一攫千金を狙い銀行強盗を実行するが、計画は途中で破綻し完全に包囲され仲間は全滅。兄弟は何とか出動していた救急車を奪って逃走したが、中には救急救命士と、自分達が撃ってしまった重傷の警官。この警官が死んでしまえば罪状は跳ね上がり未来は無い。あの手この手で警官の命を繋ぎつつ警察を撒かなければならない――スリル満点の逃走劇。
とはいえ計画は序盤からグダグダだし包囲された時点でこちらとしてはとっくに未来が無いように思うのでそんなに「頑張れ!」という気持ちにはならず。マスクもしないで顔丸出しで、完全に身バレしてると思うのに何故逃げ切れると思っているのか。それとも向こうの国は割と簡単に逃げ切れるものなのか? 最後の最後まで奥さんが犯人旦那だと気づかないでニュース見てるのは驚いた。一日中やってたらとっくにバレてそうだけど。どうにも彼らには「とりあえず追手を振り切れば人生安泰」というビジョンが見えてるっぽいのが文化の差を感じた。ジャパンじゃ銀行強盗未遂でも人生終了だけどなあ。
そんな犯罪価値観の差によりそれほど白熱した気分では観られなかったけどジェイクのキレ芸と弟の良心と救命士の美しさで意識は保てた。そして何よりマイケル・ベイ、必要以上に車を壊しまくる。そのパトカーが事故った意味とは? どうでもいい。走る車はいずれ爆破されるもんなのだ。CGか分からないけどセスナの操縦捌きも見事で見入る。操縦といえばこのお話のポイントとして弟のドライブテクニックというのもある。これは本当にカッコ良かった。主人公が運転上手いのはデフォルトになりつつあるけど、今回はガチで上手くて登場人物がことごとく弟を褒め称えるのが良い。「この運転手はレーサーだな」的な。この弟と運転変わられたら私もあのくらいパニックになるわ。
あとは銀行強盗系でグッと来てしまう要素、プロフェッショナルの立ち回り。警察とかFBIとか救命士とか。命懸けで仕事をする姿はかっこいい。救命士のお姉さんが一度逃走を図ったけど患者の容態が悪化したのを知ると唇噛み締めて救急車に戻るところがもう本当にかっこいい。そして何よりどれより外科医ね!! 今までで最もかっこいい外科医を見たかもしれない。被弾した人質患者の治療に「資格を持っていない」とパニクる救命士だけど急遽外科医に電話を掛けて手術のやり方を聞いてみる。お昼ご飯食べてた外科医がことの重大さを知り更に専門の外科医に電話を繋ぐ。ゴルフを楽しんでいたエキスパート二人が、長閑なゴルフ場でポロシャツ姿で真剣かつ冷静にテレビ電話の画面だけで手術の指示をしているのはも〜マジでカッコ良かった。プロって良いなあ。
グッときたポイントは弟の良心も。ここがお話のメインだと思う。兄は一部頭がおかしい部分があるとして、弟は終始善の心を持っていた。強盗だって難病の妻の治療費に充てるためだったし、人質に乱暴なことは一切せず生きて帰すことも約束する。そこで兄との間に亀裂が生じる場面も多々あったけど最後まで絆はあったように思う。最終的には救命士も必死で弟を助けようと頑張るし、泣ける。だが命の恩人とは言うが全ての元凶でもあるのでそこまで心を許し切れるかは分からない。
救命士が女の子のところに行くのも良かった。本人は業務の一つに過ぎないだろうけど、現場で命を助けられた側は感謝してもしきれないもの……。良い話。
2022-04-09