ゴーストタウンにゾンビが現れ特殊部隊とその妹と新人警察が脱出する。
ミラ・ジョヴォヴィッチのバイオハザードとは別の実写映画が出てきた。ゲームに寄ったものらしいのでワクワク。ラクーンシティということは2、3がメインのお話かな? と思いきや観てみて驚き、1と2とコード・ベロニカのドラマ部分を全部1998年9月30日に詰め込んだお話だった。そんな無茶な! やはり全体的に薄ーくはなったがゲームファンにとってはダイジェスト的な感じで楽しめた……かな〜。とにかくドラマ部分をかいつまんで散りばめて、それらの繋ぎ目にオリジナル要素をぶっ込んだような感じ。にしてもリサだけはゲームの設定ガン無視で清々しかった。 とにかくゲームのストーリーを知っている者向けのテイストで、ウイルスのことやゾンビの生態については完全スルー。S.T.A.R.SのSの字も出ず、アンブレラの陰謀も研究所ステージが無く、アシュフォード家の解説もない。初見にしてみればただのパニック脱出劇で、1と2で満喫したストーリーの魅力は8割方伝わっていないだろう……。 再現度について、もうキャラに関しては開き直っている。ゴリスしか守っていない。ウェスカーはまあ置いといて、バリーもレベッカもいないのも置いといて。レオンが黒髪……クレアがポニーテールでない……ジルとシェリーは何から何まで違う……でもまあこれくらい思い切っていればもう気にしない。だがエイダ、ショートカットじゃないのだけは許せない。しかし警察署の鍵がちゃんとハート、スペード、ダイヤ、クラブだったらしい。全然観てなかった、奔走してた姉は着眼点が違うや。 タイトルはラクーンシティだけど市街地戦はほぼ無く、警察署、洋館、養護施設と館内が多い。ホラー演出のためには仕方がない。あれだけ苦労したパズル要素は全てすっ飛ばしていたが現実的で良し。ピアノのギミックもきちんと指示があるのは合理的。あれ現実で一発で勘付く奴はいない。 オリジナル要素について。単純にレオン君がS.T.A.R.Sの面々に混じってるのはほっこりした。ゲームだと本当に不憫だからね……就任一日目で勤務地がゾンビタウン、良上司のゾンビ化、社長の汚職と変態嗜好……。同僚も無かったからあの光景はほのぼのした。"居眠りするレオンの頭に真剣にカップを乗せるウェスカー"の図がゲームではおよそあり得ないシチュエーションだけど癒された。職場の仲間が出来て良かったねレオン君……。省かれてたみたいだけど……。ボンボンの出来損ない設定はオリジナルだけどルックス担当なのは否定出来ないから笑う。ジルの片思いも1の時点ではまあ無くもない。 ウェスカーといえば悪役という悪役が何かいい奴になってたなあ。リサに始まりウェスカーも劇的キャラチェン、署長は自分のためにヘリ用意するのは分かるけどクレア達に「急げ!」と言える思いやりの心は劇場版だ。フッ。 演出について。割と良かった。ビックリ要素が多い多い、「そっちかい!」もあるし。印象的なのは道を塞ぐアンブレラに銃撃される署長の車内。緊迫感+何が起こってるか分からないパニック感がアメリカっぽくて生々しい。何て言うんだっけ、ヒーローでない市民視点のパニック演出のこと……まあいいや。それと"かゆうま"ぶっ込みのあのシーン。普通に一番怖かったかもしれない。現実の狂人にいそうな絶妙な感じが。あとはクリスの暗闇銃撃戦。ああいう明滅する戦い好きなのよね。サブリミナルゾンビが普通にビビる。しかしライターはもう諦めてその距離ならぶっ放しなさいよとは思った。門の前のゾンビは何回映すねんという感じではあったけど。 にしてもGの最終形態、ロマンが無いなぁ〜……どうしてもアメリカンスタイルのモンスターになっちゃうんだなあ。顔が違うもの。そして列車のGなら第五形態の「シェッリリリリィーー!!」のイメージが強くて。あの造形はどうしても納得いかないなあ。日本には日本のキャラクターデザインがあるってことなのかな……。 全体的に薄ーいバイオでもう一回観たいってほどではないけどダイジェストとして軽く観られるんじゃないかな……本家とは時系列ぐっちゃぐちゃだけど……初見向きではないかなあ。逆に向いてるのかなあ。分からん。