そういえば評判だった韓国映画。思い出したので観てみる。
面白いというか楽しい。ドラマみたいなノリで終始コミカルなテイスト。登場人物みんな愉快。でも状況はずっとパニック。
韓国の古希は盛大らしく、一族総出で場所予約してパーティーするものらしい。一族で唯一のフリーターである主人公はパーティーでも肩身の狭い思いをするが、会場の副店長を務めるサークルの後輩(一回告白して振られている)と再会し浮き足立つ。そんな中、街のど真ん中でテロが発生し有毒ガスがたちまちに市街地を覆い尽くした。会場のホテルに立て籠った一族は屋上で何とか救助されるも、定員オーバーで主人公と副店長は取り残されてしまう。次の救助ヘリを待つ間にもガスはどんどん上昇していき……。無事救出されるまでの脱出劇。
特徴としてはサークルが登山部で主人公と副店長がどちらもクライミング出来るという点。建物から建物への移動、屋内からの脱出をパワーで乗り切る。こういうのを見ると自分もいざという時のため登る練習はしておいた方が良いか……としみじみ思う。
ただし一言物申したいのは、定員オーバーだと言われて残る決断をするシーン。年寄りよ、若者に譲れ。命に順番をつけるべきでは無いけども、日頃より人命は子供>若者>年寄りの順で助けようと決めているたちなので、こんな場面で若い主人公と副店長に譲り切れない高齢者に「マジか?」と思ってしまう。そもそもその二人は一族を救助に導いた救世主でもあるし、乗せないという選択肢は無いはずだ。まあ結果、その屋上もすぐに危険な状態になったから逃げ切れる若者が残って正解みたいな流れになっていたけども結果論だ。自分が母親だったら旦那と一緒に降りて二人を乗せる。ストーリーガン無視である。
キャラが良かった。絶望的なシチュエーションが畳み掛けてくるけど、一族も主人公も明るくて愉快。副店長が不安で泣き出しちゃうと主人公も号泣するのが情けなくて笑う。励まさないんかい。働いてなくてごめん、と泣くのもしんどくて笑う。カ○ジを彷彿とさせた。「生きて帰ったら……」て言い出すから副店長に告白か? と思ったら「あそこの高い階の会社に出願する……あそこの人なら救助もされるから」で更に笑う。でもつけ上がらず最後まで副店長に対して慎ましやかなのはだいぶ好感度だった。割にしっかりしてるし、天職が見つかるといいなあ。
このままここにおったらええやないかいという安置に次々辿り着くも、都合よくハプニングが起きて移動を強いられる感じ。現実にあったら心が折れそうだけど、マンパワーと諦めない心で乗り切る。そのメンタルは偉いと思う。主人公も定期的に号泣しながら頑張るから応援したくなる。協力する違法ドローンオタクたちにもグッとくる。心温まるパニック映画だった。
2022-01-29