ファイナル・デスティネーション

Final Destination

死の予兆を感じ取り飛行機事故を免れた青年とその友人。が、一度決まった運命は変えられない。

ファイナル・デスティネーション

Final Destination

なんか怖そうなので観る。理不尽ホラー系かと思ったら割とガチガチにルールが決まってる理不尽ホラーだった。

導入の疾走感が良い。修学旅行でパリ行きの飛行機に乗るまで何やら一つ一つの出来事に嫌な予感がして落ち着かない主人公。いざ離陸すると直後に飛行機が爆発し全員火だるまで空中へ放り出されていく……というところで出発前の飛行機で目を覚ます。主人公は顔面蒼白で「この飛行機は爆発する!」と絶叫し、掴みかかる不良や抑える友人ともども摘み出されてしまう。妄言で置いてけぼりを食らったと降りた後も揉めていたら、離陸直後の飛行機が火を上げて墜落する光景が目に入った――。

ゾッとするわあ。本当に些細な選択の連鎖で事故って起こるしなあ。乗っていたら死んでいた、というシチュエーションも怖すぎるし、予知したことで犯行を疑われる主人公も気の毒だ。
ルールとは、もう飛行機で死ぬ運命が決まっていた生徒たちの中で主人公により助かった者たちが順繰りに死の運命を全うさせられるというもの。それも本来の席で決まっていた死の順番通りに。

恐ろしいのは露骨に死神的なのが現れて不審死させられるんじゃなくて、あくまで事故死になるところ。水漏れで足を滑らせて首を吊ったり、マグカップから溢れた水滴で家電が爆発したり、電車が弾き飛ばした破片で首を切ったり。無茶苦茶なところもあるけどそれこそ運命としか処理できない殺され方で虚しくなる。

その死の筋書きにもルールがあると見出すところが面白くて、回避方法や順番の法則を主人公がどうにか突き止めていくのもホラーにプラスされた要素で楽しい。そのルールに基づいて次なる被害者を助けようと先回りするも、飛行機事故からFBIにマークされているため全てが濃厚な状況証拠に繋がり容疑者として追われるサスペンス的要素も楽しい。締め方もいいぞー。

とりあえず悲惨な事故は本当に些細な油断で起きるからマジ注意だ。
2022-01-22