大炎上抹消のため魔術師に忘却呪文を頼んだら色んな世界線から色んな敵が来た。
待っていたぞーースパイダーマン。予告はノータッチ派だったけど世界中でお祭り騒ぎになって耳に入ってしまった。過去作の敵が全集合するらしい。え!? アメスパの分も!? ど、ドック・オクも!? やばいなあ。当然歴代スパイダーマンの登場も期待せざるを得ないが、アンドリュー・ガーフィールドが出てくれるかは非常に微妙だし、私の青春でありロマンであるトビー・マグワイアも絶妙だ。あまり期待せんとこうと思って観に行ったら、ひ、ひえーーー!!! 二代目(アメスパ)登場の時点で「ま、まさかトビー……!?」と身構えたけど声が違う、案の定違う。からの! 来たよー。あの私服が覗いた時点で頭がスパークしてしまった。自分の中にあったトビーの姿はあのスパイダーマン三作品が全てで、先に述べたように青春でありロマンであり、当時から変わらぬトップオブトップなので、老いた姿は見たくない……という気持ちとお願いだからご本人が来て……という気持ちで葛藤しまくりだった。トビーがひょいっと顔を覗かせる寸前まで。そしたら、ああ、トビーだった……年は重ねてたけど顔全然変わらん……。認識した瞬間からいよいよ頭が真っ白になって、ぶっちゃけその後のトビーのセリフ何も覚えてない。マジで何もあのシーン読み取れてない。来るだろうと分かっててもやばいなーーもうずっとトビーが映るたびに何か物凄い感情が洪水状態であった。ありがとうありがとう。 その前にドック・オク登場の時点で相当やばかったけども。こちらも好きだったんだよなあ。序盤の「勉強したな、ピーター」で既にポロポロ泣いてしまう。終盤の「大きくなったな、ピーター」でも号泣するけど。で、やっぱり顔変わんねぇ。そしてグリーン・ゴブリン! ウィレム・デフォー!! 驚愕、動けるのか? バリ動いてた。そしてやっぱり天才だわ。悪役のために生まれたような天才だわ……あの笑い声にあの表情、うおお、これがグリーン・ゴブリンだ。正面から相対したら確実に心折れる自信がある。ラスボスたる風格。そしてぬるりと現れた砂マン!! うう、泣く。もう大体泣いてたけど砂マンは後腐れない最後だったから善人状態なんでしょ、多分。この時点でトムホたちにとってのトビーの存在感グイグイ上がってく感じもたまらん。キャストはCGだったなあ。 と、初代(サム・ライミ版)メンツにずっと興奮してたんだけど全体通して二代目の扱いがちょっと気の毒だったかもしれない……。ベンおじさんやハリーなど設定が被っていた部分の話について、回想は初代が優先される。初代リスペクトの姿勢にはありがたみしか無いけども、二人を失ったのは二代目も同じなのにその点はやっぱり気の毒。でも叔父にしてもハリーにしてもエピソードや思い入れが深いのはどう見たっても初代の方だもんな……。でもはたから見たら二代目、ただ恋人失った軽い男みたいに見えないか。ううん、気の毒。 あとは敵との関係性か。トビーの敵として集まったのはトビーの尊敬する科学者、親友の父親、叔父を殺した強盗犯。めっちゃくちゃトビーと深い関係で、いずれも本当は良い人だったのが分かっている。だからこそトビーと直接相対した時の巨大感情は加速するのだ……。ところが二代目の敵はどうだ、コナーズさんと電気マンはどうだ……。だから敵キャラ二人から二代目への感情もぶっちゃけ憎悪しか残ってない。気の毒だ。そもそもコナーズさんに至っては存在感激薄だった。もう……。でも電気マンはかなり良かった!! IMAXで観る電気マン、ダントツで攻撃が美しい。「この世界ならヤベェパワー手に入る」その通り!! アイアンマンのいる世界線に来たら君は多分ヤベェ。胸にリアクター付けちゃってさぁ!! 楽しい。 今回の話はこのスパイダーマンシリーズの「本当は善人だった敵」というポイントがあってこそのお話だったな。そうそう、そこがデカい特徴だ。敵が善人ばかりだから別れ際が泣けるのだ。特にドック・オク……泣ける。でもこれは初代の話であって、やっぱり二代目はその点薄くなるかもね……ううん。 とりあえずずっと楽しかったけどこの映画は一体何のために作ったんだろう。エンドゲームからガッツリ繋がりっぱなしのMARVELがこのタイミングでマルチバースお祭りをする意味とは何だったんだろうか。初代・二代目が大人の都合で憂き目にあった雪辱を晴らすならドクター・ストレンジが手ぶらな今しかない的な。今後MCUにマルチバース統合の流れを作るついでにそんなスパイダーマンフェスティバルを開催したかった的な? 制作の背景は何も知らない状態である。 あの締めに関しては自分はあまり悲しい感じはしなかった。家族に忘れられるのは相当キツイけどトムホの場合はもう家族はいないし友達だけである。大丈夫、友達は何度でも友達になれる。このピーター・パーカーリセットが後の展開にどう影響してくるのかな。ハッピーも忘れてるならスタークさんからの支援もスパッと無くなるんでしょう。一つ物凄く気になるのは、大学もナシになっちゃったの!? 高卒認定テストのやつね。「僕もMITなんだ!」て話しかけもしなかったしね。そしたら戸籍も丸ごと消えたってこと……? いくら個人の記憶から消えても入学の記録は消えないっしょ……どうなの? それは一旦置いといて。とにかく初代が半端なく好きなので今作はただただ嬉しくて楽しい。ドック・オクの生存ルートが凄まじく嬉しい。ただその辺の生死のボーダーというかタイミングは多分適当だったよね。ハリーやグウェンも蘇らせたげてよぉ。そう、グウェン、二代目がヒロインキャッチを成し遂げて偉い。あそこは皆「偉い!」と思ったでしょう。強く生きて。 音楽に関して、ちゃんとそれぞれのメインテーマ流れてたらしいけど正直それどころじゃなくて一切気づかなかった。惜しい。あとは初代だけ生身から糸が出るシステム、絶対触れて欲しかったからかなり楽しかった。そうそう、初代はアナログなんだぞ。ところでヴェノム、意味深に転移して来たのに全く出番が無いんだね。流石に大渋滞になるか。でもゲノム置いてったのはどこかの誰かに奇声するフラグだね。そういえば何か予告あったな。ワクワクが終わらないわ。 しかし! 公開二日目に行ったら特別版パンフレットが売り切れていた。まじか!! 多分過去作にも触れてるやつでしょ。絶対欲しいがとりあえず通常版を買ってみた。が!! びっくりするほど初代・二代目スパイダーマンに触れていない!! それはもう露骨に避けている。写真もキャラクター説明も無い。それが大ショックだった、MOVIXで特別版をどうにか買うしかあるまい……トビーの資料だけはどうにか……神様……。