凶悪な死刑囚に地球外生命体が寄生。力を利用し、自分を死刑に追いやった記者に復讐する。
MARVELなので観る。前作は完全凶悪ヴィランムービーだと思い込んで観に行って結局そうじゃなくてショックだったけど、今回は違う。もうヴェノムはただのいい奴で、地球と人々を守る側でトムハの良き相棒枠と認識しているので、そんなダークムービーは期待していない。案の定最後までいい奴だった。この際人を食うぐらいじゃそんなに嫌な奴判定にはならないのだ。 MARVELだけどアベンジャーズとの絡みはなく、ヴェノムとはっきり言ってるのにスパダーマンのスの字も出ないから一つ独立した世界線なのかな……と観ながら思う。このタイミングで世界の人口半減事件のことにも触れていないし。でもエンディングでやっぱり……おおお〜と嬉しくなってしまった。そうよね。 とりあえず今回観た印象では「短!!」という感じ。もう1ステージあると思ってたら「え、ひょっとしてここ最終決戦……?」と不安になってきて、やっぱりそこが最終決戦で拍子抜けしてしまった。ちょっと物足りなかったな。でも後から見たら上映時間90分ちょいで、MARVELにしてはだいぶ短かかった。あのエンディングに持っていくための繋ぎの話だった……? いやいやまさか。 それはさておき悪役について、結構好きだな〜! ブレない姿勢がまず好きだし、真実の愛を貫いてるのがグッとくる。悪役の女性の扱いでありがちな侍らせてるだけ設定とか、愛し合ってる描写無かったのに別れ際だけ大袈裟にリアクションしたりだとか、なんなら身代わりにしたり見殺しにしたり最終形態で勢い余ってやってしまったりが多く見られるけど……今回の悪役は少年時代から心を通わせていた異能の少女を離れてからも一途に思い続け、生死も分からないのに獄中からメッセージを送り続けたり、無敵の力を手に入れても即彼女の生存を確認して救出に飛んで行くのが泣ける。「怖がらないでほしい」とそこだけ少し臆病になるのも、目の前でぐちゃぐちゃに変形する彼を見ても「最高……!」と涙ながらに受け入れる彼女にも泣いた。ああいうの弱い。何が良いって、本当に最後の最後まで悪役が彼女を気遣って守って愛していたところが……悪役らしからぬ真摯さにやられた。まあ悪い奴ではあるんだけど。ああいう悪役カップルは応援してしまうなあ。 音楽カッコよかった! 教会戦のシーン、ここぞというところで讃美歌が混ざってきたり、鐘が鳴るシーンからそのままその音が音楽のリズムになっていく? 感じがクールだった。そして教会といえば、悪役彼女がトドメの時に「Oh Happy Day!」と言ったあのシーン、私には分かったぞ。『天使にラブソ○グを2』を鬼リピした私には分かった、教会にちなんで讃美歌『Oh Happy Day』をサンプリングした小ネタだね。字幕は普通に「なんて幸せな日!」的なセリフにしか直してなかったどどうなのアンゼたかし? そんなことは置いといて。前作の内容が結構濃い〜かったから、今回は随分あっさりしてるなあという感じ。ヴェノムの正体が分からないワクワクした感じとか、怪しい研究機関の残酷な実験とか、前作でテンション上がったようなSF要素は特になく、強くなった脱獄囚がただ主人公を標的に暴れる小規模な事件だった印象。うーん。短いってのも影響したのかしら。ぬーん。 赤いやつのキャラもそんなに現れなかったし、神父さんのくだりは面白かったけど殺してほしくなくてちょっとテンションが下がってしまった……生かしといてよぉ。 あんまり気張って観なくて良いファミリー(ちょいグロ)映画的なポジションかもしれない。