キャンディマン

Candyman

鏡に向かって5回その名を唱えると、キャンディマンに殺される。

キャンディマン

Candyman

もっと先に観るべき大手映画が乱発してる中やっぱり自分はホラー観ちゃう。だってジョーダン・ピール製作だってよ。ゲット・ア○トで一発クセになってしまったジョーダン・ピール作品、これは監督じゃないらしいけど観ちゃうぞ観ちゃうぞ。公開直後なのに夜の一回しか上映してないってどういうことよ。ハロウィンの夜に予約して鑑賞。

普通に怖かったわあ……思い出した思い出した、この種類の怖さだ。幽霊より人の狂気にえげつなく緊張するし、何をしだすか一秒先も読めない胃痛系の恐怖がひっきりなしに襲いくる。脳が大混乱してメンタルが疲弊するホラー。

あと、これも恒例だけど、難易度が高い。初めて観たゲット・ア○トもそうだけど内容が普通に難しい。ホラーといえば考えなしで楽しめるエンタメとしか思っていなかったから、この人種や貧困層、カルトや遺伝子に絡ませた難解な恐怖の組み立て方が新鮮でクセになるのだ。今回もスラムの黒人が受ける暴力や閉塞された地域社会の闇がガッツリ関わっていて重かった。で、根本的なところはあまり理解できなかった。それも込みで恒例だ。考察班よろしくぅ。

演出の点、ホラーのオープニングとしてはちょっと弱いなあ、これならそんなに怖くないかもなあと油断してたけどあのオープニングの恐怖値低め演出も伏線だった。ホラーは普通に怖かったよ。狂人の行動の緊迫感は絶品だとして、出現が鏡面に縛られているから透明人間的なフラッシュ登場が多くてビビる。殺し方も残忍だ。第一被害者からキレッキレでうわー!! ってなった。でも死んでほしくない人は死ななかったから嬉しい。キャンディマンの名前を鏡に5回呼びかけた者が殺される、そのルールが最後まで保たれててすごく良い。秩序あるホラーは最高。でも名前呼ぼうと息吸った瞬間ドオオン!!! て場面転換したのだけは「そりゃないよ!!!」て叫んだ。心で。

演出といえば一つインパクト強いのは影絵の劇みたいなやつ! なんでああいうので語られる昔話って惹きつけられるんだろう。それが酷ければ酷いほど不気味で……。エンドロールでキャンディマンの歴史がその影絵で流されるバ○オ4的な演出、見入りすぎて人生で最も短く感じたエンドロールだった。キャストもスタッフもなんにも見てない。あとフォントがかわい〜。オリジナルかな。内容はえぐいのにフォントはかわいい。

怖いんだけど毎回考えさせられる、でも深すぎてぼんやり諦めてしまうので自分もこの辺の勉強しないといけないな……。
2021-10-31