安心と信頼の暴力満点ステイサムを観られそうな予感がしたので観てみる。疲れた時は暴力暴力。結果、思っていたよりとてーも面白い!! ハードボイルドだけどステイサムのキャラクターが渋い上にウィットに富んでて発言に毎回笑う。セリフがいちいちセンス良い。まあ大体この手のステイサム作品でハズレることは無いけども。
報酬さえあれば殴られ役も引き受けるベガス裏社会のエリート用心棒、ただし金は無いという義理と人情に厚いジェイソン・ステイサム。ハードボイルドものはこの薄暗さと痛々しさとアングラ感が堪らない。この手のやつは雰囲気で邦画が他の追随を許さないと思っていたけど、ちょっとクサめの言い回しやカジノの規模が様になるベガスも魅力があるな。やりたくないけどやらなきゃいけないから酒と博打で無理矢理エンジン入れる感じもハードボイルドものの中毒性というもの。頑張れイサム、負けるなイサム。
元カノがカジノを牛耳る親の七光りクズ息子に暴行されたのをきっかけにステイサムが厄介なことに巻き込まれていく。その暴行内容が非常に胸糞の悪いものだったので全く許し難い、自分も最低な奴には”同じ目に遭わせる”が一番と思う派なので元カノの躊躇ない制裁には大ウケした。もう切るしかないでしょうと思ってたら本当に切りに行ったのだもの、とても気持ちが良い。男性は見ていられないのか。元カノだけでなく別件の依頼客のITお坊ちゃんやカジノのディーラーさんなんかもみんな良いキャラをしている。
もちろんアクションも楽しい、うわーお!! と思わず叫ぶ豪快な暴力はこれまた気持ちが良い。クレジットカードで二人ぶちのめすホテル戦、無関係なお客さんやスタッフを庇いつつ多勢相手に暴れるカジノ戦(やけくそ気味なのも良い)、飯の間にナイフとスプーンで更なる多勢をザクザク刺しまくるレストラン戦。景気が良くて楽しい。この辺は渋さ置いといてエンジョイに振った感じも乙である。50万稼いで52万スるのも好きだ。
「なぜ俺が銃を?」「殺すためだろ!?」「ニックに銃は不要だ」痺れる……!!(うろ覚え) なんだか良いセリフの多い映画だった、字幕がこれなんだからネイティブならもっと痺れたかな。はぁ。邦ものハードボイルドも吸いたくなってきた。
2021-07-25