ゲーム『モータルコンバット』が実写化! グロすぎて日本では発売してなかったらしい。フェイタリティ集動画なんかは見ていたので「こんな恐ろしいゲームがあるのかあ」くらいの認識だったけど、まさかの映画化! しかも我らが真田広之、浅野忠信も出演。かなり観たいが流石にこのゲームのR15指定は……とチキっていたら観に行った人々が軒並みウホウホドラミングして帰って来るのでやっぱり観る。自分の知らない真田広之を見逃すのも惜しまれるし。こちらも夜一回だけの上映にギリギリ間に合う。
結果フェイタリティのグロ描写はちゃんとしていて良かった! 本家と比べたら流石に控えめだったけど良かった。がっつりゲームファンでは無かったので知っていればもうちょっと燃えたかもしれないが、このキャラはどんなフェイタリティを見せてくれるのか……!? といったワクワクがあって楽しかった。特にフリスビー帽子兄さんのは感激した。あんなぱっと見弱そうな武器でいかに魅せるかと思っていたら……ドリルにして敵を真っ二つ!? あれは感激した。しかし中には一戦で倒されてしまったキャラもいて、それらのフェイタリティは見られなかったので少し寂しい。牙のお姉さんとか鳥のお姉さんとか。
アクションで言えばゲームが元だから当たり前っちゃ当たり前だけど一人一人流派が違くてそれぞれ確立されていたのが面白かった。印象深いのは異能集まる人々の中でただ一人”人間”のお姉さん、軍用格闘術で接近戦が最強……こういうのが好きだ。あとはサブ・ゼロの氷タイプ。凍っちゃうから派手さにおいては他に負けるが戦いの魅せ方が見事。向けられた銃口を掴んでバン! と撃たれた瞬間に凍る弾丸と手。かっこいい。真田広之の飛び散った血を落ちる前に凍らせて突き刺した時はなんて変態的なことをするんだ……と感心。
次にキャラクター、再現度高い! ちょっと新鮮だったのは冒頭から中国人と日本人がくっきり区別されていたこと。中国語に対して「お前の言っていることは分からんが……」まあ確かに。そうそう、純日本人キャストがいると日本語や日本文化に関して違和感なく仕上げてくれる安心感がある。「お前を斬る」は流れや使用武器的に「殺す」の方が妥当な気がしたけど字幕のkillに合わせた遊び心だったりして。今回の個人的ヒットは少林寺お兄さんのリュウ・カン。姉もヒットしてる。多分みんなもヒットしてる。お顔立ちに髪型に衣装に性格に流派に、全てが良い。西洋メンツに混じる東洋勢が好きというのもあるけど。優し〜お顔にバキバキの筋肉。ガタイの良いメンバーより一回り背が低いのにバキバキの筋肉。いったいどこに隠してるんだ……。節操のないフェイタリティが連続する中でこのリュウ・カンだけは優雅で美しいトドメの一撃。さすが。本家はパーン! だったけど。
さらに音楽、ゲーム音楽が聞こえてくる聞こえてくる。思わずニヤついてしまうというもの。エンディングに至ってはテーマをアレンジしたゴリゴリのEDMが流れてぶち上がりである。ゲーム効果音もバッチリ入っていて、キャラセレクトした時の名前呼ぶ声(?)と共にキャストが出たり、「Fight!」とかの声もいい〜ところで入ったり。某ヒ○ダインのストⅡ効果音縛り音MAD聴いた時の昂りが蘇った。プレイしてたらもっとテンション上がったのになあ。
ストーリーについて、シーン展開は割と雑だったがエキサイティングという点ではかなーり楽しかった。ゲームについてやんわりとしか知っていなかったのでアレだけど、なんでもありな格闘ゲームの実写化において「伝説の格闘大会にそれぞれの種族代表者が参加している」という設定も完璧で納得した。本家のストーリーはミリしらだけど、沢山のキャラクターがいる中で今回みたいに味方枠・敵枠に振り分けられるのは独特の熱さがあるんじゃないかな。日本人は味わえないのか……。そう考えると重要キャラ(思っていたよりかなり重要キャラ)に純日本人キャストが二人も抜擢されたのはかなり誇らしいことだ。真田広之、ジョン・ウィ○クが楽しみで眠れない。
【追記】
その後舞い込むレビューを眺めていたらやっぱりゲームファンに刺さる細かい演出のオンパレードだったらしい。やたら重要そうな"アッパーカット"はいわゆる必殺技でキャラ固有のもの、足払いで何回も転ばされるシーンはゲーム初心者のあるある操作らしい。バイ○ハザードの移動みたいな。心から楽しめた人々が羨ましい。
【追記2】
パンフとインタビューとしっかり読んだら更に熱かった。特にジョー・タスリム語るサブ・ゼロの話に衝撃、望んで選んだ人生ではなかったのか。対して真田広之からは殺意しかないというのも業が深い。二人の因縁が想像以上で凄まじかった。
そしてキャスト、ソニア以外格闘経験者というのも衝撃だった。これ以上ない条件じゃないか。大好き真田広之に関しては千葉真一の弟子だったなんて知らなかった、本物の殺陣を学びし者じゃないか……。サブ・ゼロも柔道心得てるし、最終戦のアクションが絶賛されるのも頷ける。思ったよりハマり続けている自分に笑うが、これはDVD買っちゃうな。
【追記3】
無事ブルーレイは買ったわけだけど、やっぱり良いわぁ。
映像特典を見たらサブ・ゼロの中の人ジョー・タスリムの格闘スキルがガチすぎる話で大ウケ。ジャックスの人が「撮影数日前に『ザ・レ○ド』を見ちまった」とか「(動きが)早すぎて撮れないから手加減を頼んだ」とか監督が「皆が彼のレベルに合わせるのは不可能だ」とか。ニヤニヤ。同じく『ザ・レ○ド』でビビった後なので分かる分かる。
でも監督が直後に「真田広之もだ」でまた大喜び。スタントの人が「レベルが高いからどんな(殺陣の)要望も応えてくれる」とも。嬉しい。若かりし頃の真田フィジカルも見て見て。
2021-07-03