Mr.ノーバディ

Nobody

何者でもない地味な会計士、ある夜強盗に家族を襲われてから”前職”の本能が覚醒する。

Mr.ノーバディ

Nobody

スルーする予定だったが『ジョン・ウィック』のチーム制作&界隈で評判だったので我慢出来ず観にいく。聞いたら分かる好きなやつや現象。最寄りで公開終了し、TOHOで一回だけやってたので滑り込み。

いやー楽しかった。ジョン・ウィックをもうちょっと無茶させてくたびれさせて地味にして所帯持たせておじさんにした感じ。冒頭の怒涛の曜日報告に笑った。「月曜日」ドーン!! 的な。シリアスな笑いがもりもりで面白かった。病院で定期券からのクラシックごり押しはだいぶ笑った。

そして見せ場はアクション。アクションというよりシンプル暴力。どんどんためらいが無くなっていく感じが良い。序盤でこっちがムズムズするような情けなさを見せてからの「そこまでやらなくても……!!」レベルにボコボコにしていくのがスカッとどころじゃない。おじさん、やりすぎ。某ジョンに比べたらスマートのスの字もないけどその泥臭さというか、”現役からのブランクを感じさせるけどやっぱりヤバいやつ”感が良い。うちの父さんが実はこんなんだったらどうしよう……! とロマンを感じてしまう。全国のお父さん、期待されているよ。

個人的には音楽が良かった〜。ほぼジョン・ウィックでだいぶかっこよかった笑。主人公のおじさんがレコードコレクターだから世代古めの曲が絶妙なところで沢山流れて楽しい。カーチェイスのシーンはぶち上がりで足をバタバタさせたくなるほど音ハメがばっちり。堪えたさ。

キャストについては主人公のおじさん、初見だったけど渋くてめちゃ良い。そしてマジで要所要所で見かけるドク!! ドク役のおじい!! ドクの時点でおじいだったのにまだおじいだ!! 最強のおじいで面白かった。とうとう若ドク、ドク、老ドクを網羅してしまった。
 冴えないおじさんが実は凄い、というロマンの見せ方が素敵。全体的にちょっと暗いけど、先ほど言ったようにシリアスな笑いに余念がないので普通に楽しめる。しかしこれPG12だったのか。ちょいグロだけどまあそれもまたよし。ただこれ観たら猛烈にジョン・ウィック観たくなるのは何なのでしょう。
2021-06-26