燃えよドラゴン

Enter the Dragon

カンフーを極めし男が因縁の宿敵の悪事を暴くため武闘大会に潜入して調査を行う。

燃えよドラゴン

Enter the Dragon

アマプラでディレクターズ・カットが解放されていたので観る。有名すぎたが観ていなかった、初ブルース・リー。

こんなにも有名なのに自分が結構な規模で勘違いしていたことに気づく。全体的にグローバルだった。まず世界観について、ゴリゴリの中国映画だと思ってたから初っ端から少林寺のお師匠とリーが英語で話してるのに驚いた。そんでリーについて、何か修行僧のような気質で「俺はまだまだ強くなれる……!」的な無骨な職人の修行的ストーリーを想像してたら、もう極め切ってたのね。弟子というポジションだけど普通に師匠に無闘術説明してるし、完成されているんだね。そんで無骨な職人かと思ったら割とハリウッドだね。表情豊かで西洋風の身振りもするし、それなりに愛想が良い。というのも意外だった。

次にストーリー、こちらもハリウッドだった。舞台は違うけど。リーが離島で開催される武闘大会へ参加し、主催者の闇事業を内偵調査するというもの。その事業というのも若い娘を捕まえて薬漬けにして売りさばくというなかなかヘビーな内容。格闘の末で死人が出たり、場を荒らした参加者を血祭りにあげたりと演出もちょっとハード。当時の世界中の子供達の憧れというからベスト・キ○ドみたいなテイストを想像してた。思ったよりハリウッドな内容でワクワクした。

そしてやっぱりアクション。なるほどこれは心奪われる。いわゆる勝敗の結果を決めるまでの繋ぎとしてのアクションではなく、スタイルが確立された立派な一つの”格闘術”。妙なワイヤーとか特撮を使うでもなく、生身のリーがその体一つで完成された格闘術を見せつける。動きはキレキレだしアドレナリンみなぎる型が熱い。人間無意識で戦うとホアター‼︎が出るのかな。どのくらいまで少林寺拳法に忠実なのか分からんけど。自分がだいぶ好きなのは待機時間(?)かしら。ちょっと間合い測ってる時の、あの半身で構える時のステップ。カポエラみたいなやつ。カッコ良すぎない?ヌンチャクをゲットした時は流石にテンションが上がった。ジミヘンがギターを主役にしたかの如く、リーはヌンチャクを昇格させたのだ(どっちが先かは知らん)。この舞台から銃を取り上げたのはかなりナイス。そうでないと格闘技の魅力は薄れるでしょう。にしてもアフロさん、好きだったのに……。

がっつりローカルかと思ったら盛大にグローバルな感じで面白かった。原題が『Enter the Dragon』なのにも驚いた。これは燃えよドラゴンでいいよ。
2021-06-13