るろうに剣心 最終章 The Final

るろうに剣心 最終章 The Final

剣心の義理の弟が姉の仇を取るため上海から帰国、大テロリズム

るろうに剣心 最終章 The Final

るろうに剣心 最終章 The Final

和風アクションに凄まじい衝撃を受けてから早10年。10年!? だいぶ最近の映画と思ってたらあっという間だ……原作ミリしらだけど映画に異様にどハマりした稀有な実写系。今作は事前知識無しで鑑賞。テレビで敵が新田真剣佑なのとその子が剣心の奥さんの弟で復讐しに来たってとこまでうっかり知ってしまったけどそのままGO。前作の騒ぎから随分経った時系列。人々がようやく平和に慣れてきたところに上海マフィアの若き頭領・縁(えにし)が舞い戻り姉の復讐に大規模テロを巻き起こす。それも剣心を苦しめる一心で、同じ恨みを持つ悪党を引き連れて……。

ちょっと集中出来ないくらい真剣佑がカッコ良すぎたことについては一旦置いといて。個人的な怨恨という点で前作の国とり合戦よりもどうしても小規模にはなってしまったけど、お祭り感というかエンタメ感が盛り沢山で非常に楽しかった。お馴染みのキャラ総動員でそれぞれの美味しい見せ場てんこ盛り。ニヤニヤが止まらない。

まずはやっぱりアクション、るろうに剣心映画版に取り憑かれる最大の要素。これこれ〜!! 刀と刀の本気の斬り合い、息の止まるスピード感と一撃一撃の重量感ある音響、嘘やろ? と言いたくなるアクロバティックな殺陣の数々。元より、刀という武器そのものは非常に魅力的だけど何より敵も全員刀じゃないと成り立たない部分はある。(そもそも、そうでないとそんなにかっこ良く映らないと思っている。)それが実現出来る最もリアリティのある、唯一の舞台がこの時代劇というシチュエーション。加えて「漫画の実写化」という前提があるからこその突飛な武器、クリーチャーじみた敵、無茶な流派があるから堪らない。速度、速度! 時代劇アクションでここまでの速度と迫力を出せるとは。史実に基づいた雰囲気と時代考証、漫画チックなド派手演出のバランスがとにかく楽しい。このアクションを「これが和の国のジェダイだ!」と外国人に見せたいのだ。映画だから細かいことはいいんだよ。

アクションについてもう一つ、これは以前からも言えることだけどキャラによって異なる殺陣も非常に良い。今回は忍者と侍の違いがはちゃめちゃに興奮した。刀のリーチによって間合いを測る侍に比べて忍者の殺陣!! ガンガン距離詰めて何なら相手の腕を掴んで離さないまま接近戦で打ちまくるの、かっこいいよねー……。宗次郎の鞘ファイトも楽しい。

次に衣装、今回も良い。縁の中華風ジャージ(?)デザインがだいぶ優れていて全角度かっこいいし可愛い。色違いのセットアップ(??)でお着替えも豊富にありテンションが上がる。最後のオールホワイトなんか最高。敵軍団も縁以外は色が超地味な暗いカラーリングだったけど構造が凝っていて面白い。人外的な鎧の奴もいれば女性衣装の奴もいるし、そんなに露出したら絶対やられるよ〜な奴もいる。何よりぱっと見で区別出来るのが有り難い。志々雄軍団のカラフルさとの対比もあるのかしら。アレはアレで劇場版感があって良かったけど今回は縁の一人異質感が際立って素敵だった。

最後にキャスト、音尾くんにめちゃ驚いた。るろうに剣心出てるじゃん……! そして柳俊太郎くん、ここでこんな出会い方をするとは。面影消えすぎて分からないよ。でも好きだ。からの北村一輝様。ど、どこにいたの!? パンフレットにも載ってないし、ゲスト枠? ど、どこ? そこからの伊勢谷さん。蒼紫様の姿を拝んでポロポロ涙が溢れたのは色んな理由が重なったからさ……。で有村架純さま、合う〜! こういう影のあるというか何を考えているか分からないというか儚い感じのが本当に合う。ハマっている、凄く良い。

映画館では洋画ばかりだったから、エンドロールに日本人の漢字の名前がズラズラズラと並んで行くのは圧巻。感動したなあ。さりげなくVFX部分に外国人の名前が連なっているのを見て本気を感じた。実際フルCGのところ全く気づかなかったよ。いや〜楽しい。
2021-05-01