ターミネーター

The Terminator

ある日突然未来から来たサイボーグに襲われ、未来から来た男に守られる。将来産む息子が未来の重要人物となるらしい。

ターミネーター

The Terminator

 2作目をバリバリに覚えているし何なら何回も観てるけど1作目の記憶が毛ほども無い。うちの家庭で観ていないはずが無いのに毛ほども無い。ということで鑑賞。
 面白いなあ!! 当たり前だけど。シリアス味が強くて終始サイボーグに命を狙われる緊迫感がある。何より「守る者」側がただの人間というのも大きい。2のお祭りみたいな戦いっぷりを楽しんだ後だとドキドキハラハラが全然違う。シュワちゃんのサイボーグ感溢れる棒読みっぷりも感慨深い。2のサラ・コナーとシュワちゃんが再会するシーンでサラ・コナーが恐怖のあまりずっこけるシーンが異様に好きなのだけど、なるほどこんだけ追い詰められたらトラウマにもなる。倫理無視でバッタバッタ人を殺し続けるターミネーターはややドン引きだけど、その演出が不気味で酷くて逃げる側の二人の緊張感と無力さが際立って良い。これエンタメか? と疑うほどの恐ろしさなのでSFアクションというよりSFホラーな気さえしてくる。アクションだけど。
 こんなに壮大な物語をカイル・リースただ一人に説明させるのも大変だったろうに、回想シーンもぶっ込んで観客を追いつかせるのは地味に凄い技術だ。今はあまりにも有名になっちゃったけど、初見の人は世界観に圧倒されたろう。意外にも『審判の日』ってワードは出てこないんだな。ジョン・コナーもはっきり登場しないし、我々がまだこの世界線の未来に対して分からないことが多いのを絶妙に表現している。にしても例のI’ll be backが出てきた時はうほー! となった。いいですな。音楽も「デデンデンデデン!!」になる前の「デデデデン……デデデデン……」がカッコよくてたまらん。
 そして何度も言う恐怖演出について、分かってんね〜〜! という展開でワクワク。やっつけた……? これで死ぬの? ふふん、物足りないね……うおー!! 的な。今度こそやった? ここで動いたら面白いけどな……おおおー!! みたいな。流石に死んだか? いやいや……いえーーーい!!! って。これよ。ボリューム感というか、「不死身」と銘打ったからにはマジで絶望に絶望を重ねるくらい、主人公がボロボロで動けないくらいになってからが見せ所よ。レジェンド作品になるだけある追い詰め度。いいぞ凄いぞ。ぶち上がりで観たけどやっぱり明るい部分が少ないので鑑賞後はしんみりする。すげえ運命背負わされたな、とじわじわ考えさせられる。ジェームズ・キャメロンの本を買ってターミネーターについての話を読んだら深すぎて怯えた。
2021-02-28