事故物件 恐い間取り

芸人・松原タニシの実体験を映画化したもの。とりあえずホラーだから観てみる。売れない芸人が解散後に再起をかけて捨て身の企画に乗り出す。それが事故物件に住み込んで恐怖映像を撮ってくるというもの。次々怪奇現象が起こる中、世間の反響にのめり込んでいく芸人とそれを心配する元相方、そして元ファンの恋人。やがて霊はどんどん強力になっていき……という話。芸人じゃない亀梨くんの芸人のノリはなかなか寒かったけどちゃんと鑑賞。
　何だか品のない幽霊たち。実際の霊はこんな感じなのかな？　殺人事件のあった部屋、自殺があった部屋、無理心中があった部屋……なかなかに生々しい現場と雰囲気は良い。畳下に血痕が残っていたり、鏡が隠されていたり、シャワーのホースだけ変えられていたり。こんなに都合良くいく先々で心霊現象起きるとは思わないけど、やっぱり何かは憑いているんだろうか。気の毒なのは主人公よりも恋人ばかりが霊を目撃しちゃう所。そのセンスを頼られて現場に引っ張り回されるのも結構嫌。
　怖さで言ったら「うわ！」と声を出したのは一箇所で、後は何となく予想できるか予想を下回るかといった感じ。特にこれはありがちだけど、どうして雰囲気ホラーを貫かずに終盤でSFチックになるのか？　ゴリゴリのCGに霊能力バトルみたいな要素をぶっ込んだら、どう考えても全く怖くないのに何故そうなってしまうのか？　それが実話だからと言われたら仕方ない。うーん。特に解決もしないし関係のない人が死ぬし、ラスボスがわけわかめだったけど、これが実話ならやっぱり仕方ない。原作を観た方がきっと面白い。